プロポーズは予約制。

(シグ×アミで風邪ネタ。)



うぅ、気持ち悪い。

風邪を引いてベッドで寝ていたから、パジャマが汗で肌とくっついている。
試しに布を引っ張ってみるともっと気持ち悪くなった。
しかも両親は二人揃って仕事に行っているのだ。誰も助けてはくれない。

僕は熱でぐるぐるな頭に渇を入れて、ベッドから起きあがる。
ベッドサイドに何か代えの服とかタオルは無いかと期待したが、あいにく側にあるのは電灯だけ。
しかし、いつまでもこのままは嫌なので、僕はとりあえず代えのパジャマを取ろうと布団をはがそうとした。

「あ、シグだめだよ。安静にしてないと!」

突然、前方のドアが開いたと思ったら見覚えのある赤ぷよ帽が目に飛び込んできた。
そして赤ぷよ帽の後に現れた少女‐アミティ‐は僕を見て困った顔をしながら先ほどの言葉を言ったのだ。

その後のアミティはテキパキと僕の代えのパジャマを取り、身体をふくタオルを持ってきた。
しかも嬉しいことに、水分補給のスポーツドリンクまでもってこられたらもう何も言うことがない。

「アミティはどうして僕の家にいるの?」

アミティは僕がやっとの思いで恋人になれた愛しい彼女。
たが、いくら親しい仲とはいえ病人しかいない家に上がり込んでいるのはわりと普通じゃない。
僕がそういうと、アミティはまた困った顔をして

「シグのお母さんが、様子を見ていてくれって頼まれたの。」

ごめんねびっくりさせて。と言いながらアミティは僕の脱いだ服を持ってドアから出ようとしたら

「シグお腹空いた?何か食べる?」

とはにかみながら言うもんだからとても可愛くて、僕はふと思いついたことを言った。

「アミティ、にいづまみたい。」

するとアミティは顔を真っ赤にして手に持っていたものを全て落とした。

「でも、シグのお嫁さんだったらいいな。」

そうアミティが言うと、今度は僕の顔が熱くなった。
たぶん風邪のせいだと思って僕はアミティを見る。
アミティもまだ赤い顔だったがえへへと笑っていた。

ちなみに、今まで謎に包まれていたアミティの料理の腕前は予想以上にいいものだった。
僕はアミティの作ったお粥を食べながら、アミティの耳元でささやく。

「いつか、僕が大人になったらアミティを迎えに行くから。」

それを聞いたアミティはくすくすと笑いながら

「うん、待ってるよ。未来の旦那様。」

そんな午後三時の出来事。

⇒どうやらうちのアミティは気が動転すると持っているものを落とす性格だそうです。
まぁ、そういう子がタイプなんですよ私。